
前回の記事「最強の自己受容」と「最強の存在受容(居場所がある!)」では自己肯定感の2つの要素について解説しました。自己肯定感を高める(自己肯定力を養う)には、この二つの要素に働きかければ良いということになります。
この記事では、自己肯定感が変化するメカニズムを解明し自己肯定感を育む方法を考える前段階として、自己肯定感の類型をモデル化して考えます。
自己肯定感の組み合わせを考える
二つの要素の整理・確認
まず、自己肯定感の2つの要素を整理・確認しておきます。
- あるがままの自分を受け入れる
- 自分が自分であって大丈夫
の2つです。
上記2つのポイントをわかりやすく言い換えると
- 自分が自分を受け入れている
- 自分が人・社会に受け入れてもらえると思えている(自分の居場所があると感じられる)
となります。どちらも自分の主観ですが、概念をより際立たせるためにその主観の部分を外せば
- 自己受容(自分が自分を受け入れる)
- 存在受容(他者が自分を受け入れる)
になります。ここでの「存在受容」は「自分が自分の存在を受け入れる」という意味ではなく、「人・社会が自分の存在を受け入れる」という意味で使っていますのでご注意ください。なお、この存在受容は「承認欲求」というとても大切な概念と深く結びついています。

2つの要素の組み合わせ
現実は曖昧であり複雑であり、混沌としています。しかし、ここでは思考を進めるために単純化して2つの要素の組み合わせを考えます。
すると2x2ですから、以下の4つの組み合わせがあることがわかります。
- 自己受容〇 存在受容〇
- 自己受容〇 存在受容✕
- 自己受容✕ 存在受容✕
- 自己受容✕ 存在受容〇

このように分けると、自己肯定感にどのようなパターンがあるのかが見えてきます。
そしてこの4類型は自己肯定感のあり方のモデルであるだけでなく、自己肯定感が傷つき変化していくメカニズムも示唆しているのです。

簡単なまとめ
自己肯定感を構成する2つの要素の組み合わせにより、以下の4つの自己肯定感の類型を考えることができます。
- 自己受容〇 存在受容〇
- 自己受容〇 存在受容✕
- 自己受容✕ 存在受容✕
- 自己受容✕ 存在受容〇
もって生まれた個性があり、独自の経験があり、また現在の状況もそれぞれ違う私たちですから、類型はあくまで参考にするだけです。しかし、これらの類型から単純化して考えることで見えてくることもあります。
この類型モデルから何がわかるかは別の記事で解説します。また、次の記事ではこの類型をさらに変換したモデルをご紹介します。